舟のごとむすぶ両手【もろて】をほどくとき胸のうちなる雨のこぼれる
恋のない日々にはソースをあかあかとお好み焼きをひとりで食べる
化粧室の屑篭に溢れる紙屑を深く押し込み紙屑すてる
老紳士集う上島珈琲店いつも昼下がり華やぎて見ゆ
保冷剤腫れし瞼に当ておればとどろくごとき夕暮れが来る
ひとりぶんの熱では足らぬ冬の夜 布団の中でするテコンドー
短歌人 2008年2月号掲載歌
恋のない日々にはソースをあかあかとお好み焼きをひとりで食べる
化粧室の屑篭に溢れる紙屑を深く押し込み紙屑すてる
老紳士集う上島珈琲店いつも昼下がり華やぎて見ゆ
保冷剤腫れし瞼に当ておればとどろくごとき夕暮れが来る
ひとりぶんの熱では足らぬ冬の夜 布団の中でするテコンドー
短歌人 2008年2月号掲載歌
2008.02.01 ▲
ひとりでにマルイは建って黄昏の有楽町を抜けてゆく風
筆順を誤ったまま慣れてゆく新たな姓をサインするひと
くまさんがみてるカフェにはレモン入り水道水がかすかに匂う
日本最大車祭りに集いたり色とりどりの半裸女性は
あまりにも震える風を引き寄せてくちづけをせむかセコイアの下
ゆめでしかゆめをみられぬうつしみに閉じこめておくくれないの花
短歌人 2008年1月号掲載歌
筆順を誤ったまま慣れてゆく新たな姓をサインするひと
くまさんがみてるカフェにはレモン入り水道水がかすかに匂う
日本最大車祭りに集いたり色とりどりの半裸女性は
あまりにも震える風を引き寄せてくちづけをせむかセコイアの下
ゆめでしかゆめをみられぬうつしみに閉じこめておくくれないの花
短歌人 2008年1月号掲載歌
2008.01.01 ▲
空は空をやめたくなってこの街にあまねく雨がゆきわたる夜
五分早く家を出た日は駅前のティッシュ配りを丁寧に断る
ひさびさに父のメールが届きたり「土産ありがとう。次はなんですか」
髪あぐる首のたしかさ曼珠沙華湯屋をいでくる処女らのごと
サッカーボール蹴る夢の中そのボール痛いと言えり恋人の声で
前髪になびくふるさと帰らざるものひりひりとひかりはじめる
短歌人 2007年12月号掲載歌
五分早く家を出た日は駅前のティッシュ配りを丁寧に断る
ひさびさに父のメールが届きたり「土産ありがとう。次はなんですか」
髪あぐる首のたしかさ曼珠沙華湯屋をいでくる処女らのごと
サッカーボール蹴る夢の中そのボール痛いと言えり恋人の声で
前髪になびくふるさと帰らざるものひりひりとひかりはじめる
短歌人 2007年12月号掲載歌
2007.12.01 ▲


